内田洋行とインテル、「教育IoT」で協業 ~教育のデータ活用で「アクティブ・ラーニング」「アダプティブ・ラーニング」の実現へ~

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株式会社内田洋行(本社:東京都中央区、代表取締役社長:大久保 昇、以下内田洋行)とインテル株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:江田麻季子、以下インテル)は、2016年7月7日、「アクティブ・ラーニング(能動的学習)※1」「アダプティブ・ラーニング(学びの個別化)※2」などの新たな教育方法の改善・実現に向けて、「教育IoT」の実装や検証を協働で行うことを目的とする覚書を締結しましたので、お知らせいたします。

教育環境の変化

文部科学省では、「21世紀型スキル※3」の習得を目的として、学習指導要領の改訂や、大学入試改革をはじめとする教育改革が検討されております。すでに先進的な学校では、新たな学習・指導方法として学習者が主体的に学ぶ「アクティブ・ラーニング」の導入が進められているほか、文部科学省「教育情報化ビジョン」をもとに「1人1台のタブレット端末」など教育環境整備の進む地方自治体も増加しています。

そして、2016年5月に政府が発表した「日本再興戦略2016」では、人口減の進むわが国においてIoTやAI、ビッグデータによる生産性向上に向けた産業構造改革を進める上で、新たな産業創出を担う人材育成が重視されており、「アクティブ・ラーニング」の推進などの教育改革とともに、次世代の教育として初等中等教育で「プログラミング教育の必修化」、高等教育で「数理・情報教育の強化」などが求められています。また、文部科学省では「IT活用による習熟度別学習」や、「スマートスクール構想の推進」「統合型校務支援システム普及推進」など、教育のICT化を加速化することも検討されています。

「アクティブ・ラーニング」「アダプティブ・ラーニング」実現のための「教育IoT」データ活用



その一方で、小中高大の教育市場でICTシステムの導入実績の豊富な内田洋行と、先端的技術開発と世界的に教育支援事業を進めるインテルは、2008年~2010年にかけて「1人1台のPC活用」をテーマとする実証研究を共同で進めたほか、2015年には、 “21世紀型スキル”を育むための「アクティブ・ラーニング」の教員研修プログラムの展開で協業をスタートするなど、教育ICT化の先導的な取り組みを行ってまいりました。

こうした取り組みを経まして、このたび、内田洋行とインテルは、これからの社会の変化に求められる「21世紀型スキル」の習得を本格化するには、教育の場で抽出されるさまざまなデータを活用して、プロジェクト型学習や協働学習による「アクティブ・ラーニング」の改善や、個々に最適化された指導・学習による「アダプティブ・ラーニング」の実現に結びつけていくことが求められるとの共通認識に至り、教育分野におけるIoTの実装、データ活用、システム環境構築などの検証を目的とする覚書を締結するものです。

内田洋行・インテルの協業の内容

「教育IoT」の実現に向けて、具体的には、多種多様な教育用ICTソリューションやセンサーからどのようなデータを抽出し、教育の改善に活用していくのかといった教育面での課題や、従来よりも広範囲になるシステム要件の定義、データ処理軽減やセキュリティー対策など、システムインテグレーションにおける課題が想定されます。内田洋行とインテルは、こうした課題の解決に向けて、教育現場に適したデータ活用のあり方、“品質”と“信頼性”を担保する「教育IoT」のシステムインテグレーションの考え方を確立し、その実装と検証を協働で進めます。また、そのエビデンスの取りまとめの公表などを進めて、新たな需要開発に取り組んでまいります。覚書の主な内容は、以下の通りです。

(1)ICTやIoTデータを活用した新しい教育プラットフォームづくり


内田洋行では、授業支援システムや校務支援システムから、デジタル教科書などを配信するクラウドサービス「教育コンテンツ配信サービスEduMall(エデュモール)」、未来の学習空間「フューチャークラスルーム®」に至るまで、多種多様なICTプラットフォームの導入を進めてまいりました。

今回、さらなる発展に向けて、内田洋行とインテルは、協働で 「アクティブ・ラーニング」や「アダプティブ・ラーニング」など新たな教育の推進のためにICTやIoTを活用した教育環境モデルを構築します。授業・学習での有効性、システム利用のしやすさを、教員・学習者など利用者視点で実装と検証を進めます。尚、その実装については、内田洋行新川本社(東京都中央区新川2-4-7)に設置する「フューチャークラスルーム®」で行うほか、協働でモデル校づくりを進めます。

(2)「教育IoT」データ活用による授業改善・新たな教育方法の実現

こうした教育プラットフォームから得られる「教育IoT」のデータ選定、抽出方法、データ形式の標準化などについて、内田洋行とインテルが協働で検討しその実証研究を選定したモデル校で行います。

しかしながら、実際の「教育IoT」による「アクティブ・ラーニング」や「アダプティブ・ラーニング」の学習環境改善では、膨大なデータのリアルタイム処理が必要となります。インテルでは、これらのデータ分析に関する処理技術、最適化処理、そしてそのシステムをセキュアに運用するための仕組みの構築に関して技術提供をしてまいります。また、その抽出されたデータの教育活用については、有識者を交えて検討を行います。



(3)「教育IoT」データ活用のあるべきシステム環境の検討(データ処理軽減・セキュリティー)



教育分野でのデータ活用に向けては、並列分散処理化などのデータ処理負荷軽減や高速化、またセキュリティー対策を考慮した上で、様々な教育プラットフォームからのデータ抽出と、その解析やフィードバックなど、広範囲のシステムインテグレートが求められます。小中高大の教育現場を知る内田洋行と、先端的なIoTの研究・製品開発を進めるインテルは、それぞれのノウハウや技術、また他業種での実績などによる知見を用いて、協働で実装と検証を進めることで、「教育IoT」におけるシステムインテグレーションの考え方を確立し、その品質と信頼性の担保について検討してまいります。

具体的には、広範囲なシステム要件で、かつ、学校の特有性を考慮したデータベースの構築、ネットワークセキリティー、データ活用のためのシステム設計などの考え方の確立を進めます。

(4)「教育IoT」の実装と実証研究によるエビデンスのとりまとめ

内田洋行とインテルでは、相互の協力によって導いたエビデンスを取りまとめて、各種研究会やイベントなどを通じて、その発表につとめてまいります。

内田洋行の取り組み

1910年(明治43年)創業。2010年に創業100周年を迎えた。公共・オフィス・情報の3分野を事業の柱とする。公共分野では、戦後まもない昭和23年より科学教材を中心に学校教材販売を行いトップブランドに。1980年代には業界に先駆けて学校教育情報化を推進。2000年に入り、パソコン教室で行える語学演習装置「PC@LL(ピーシーアットエルエル)」や、ネットワークによるコンテンツ配信事業「EduMall(エデュモール)」など新ビジネスを立ち上げる一方、教育総合研究所を設置し、省庁から学校現場まで幅広く協同で教育研究を進め、学校教員向けコミュニティサイト「学びの場.com」も運営する。また、2010年には、内田洋行が産官学の共同研究から独自に考案した、“アクティブ・ラーニング”を実現する未来の学習空間「フューチャークラスルーム」を、新川本社・大阪支店に設置。教育関係者との実証研究を進める。「フューチャークラスルーム」は、2012年に商標を取得した。

インテルについて

インテルは、テクノロジーの可能性を広げ、この上ない感動体験を提供します。インテル、そしてインテル10万人以上の社員による創造の成果については、newsroom.intel.co.jp または intel.co.jpでご覧ください。
<登録商標について>
Intelは、アメリカ合衆国および / またはその他の国における Intel Corporation の登録商標です。

■用語について(文部科学省ホームページより http://www.mext.go.jp/)

※1:「アクティブ・ラーニング」:伝統的な教員による一方向的な講義形式の教育とは異なり、学習者の能動的な学習への参加を取り入れた教授・学習法の総称。学習者が能動的に学ぶことによって、後で学んだ情報を思い出しやすい、あるいは異なる文脈でもその情報を使いこなしやすいという理由から用いられる教授法。
※2:「アダプティブ・ラーニング」:個々の子供の習熟度等に応じた学習を通じて、必要な資質・能力を確実にかつ効果的に育む教授法。(出展:「教育の情報化についてー現状と課題ー」2020年代に向けた教育の情報化に関する懇談会)
※3:「21世紀型スキル」:21世紀の知識基盤社会で求められる能力としては、情報創造力(こと創り)のほかに、さまざまな困難な局面に対して批判的思考力、問題解決力、コミュニケーション力、プロジェクト力、ICT活用力等で対応できるスキルを育成すること。(出典:「学校教育の情報化に関する懇談会 これまでの主な意見(第1回~第6回)」)

souche :- http://www.uchida.co.jp/company/news/press/160707.html

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